Arezzo[アレッツォ]
 フィレンツェやシエナ同様、トスカーナ地方の中世の都市国家アレッツォ。古代ローマ時代の前に発生したエトルリアが起源の町としても知られています。
 数年ほど前、仕事でこの町を訪れた私。運よく、毎月1回開かれるアンティーク市に遭遇できました。第1週の土曜日と日曜日です。日本のガイドブックの多くには、「日曜日」とだけ記されているものが多いものの、市がたつのは土、日。町の中心部であるグランデ広場で賑やかに繰り広げられます。価値ある骨董品も多く出されることで知られるこの市。国内のみならず、ヨーロッパ各国からの買い付け客も目に付きます。

 この広場の設計は、アレッツォが生んだ画家であり建築家として名高い、ジョルジョ・ヴァザーリ。緩やかな傾斜地が特徴のグランで広場は、シエナのカンポ広場に匹敵するほどの魅力を持っています。
 近くの教会、サンタ・マリア・デッラ・ピェーヴェも興味深い。ピサ風ロマネスク様式の建築物の美しさ、付属する鐘楼の窓の多さが必見です。「百の穴(つまり、窓)」という愛称がついています。百も窓があるわけではなく、「そのくらい多い」という意味。実際には40の窓、ということです。

 サン・フランチェスコ教会には、やはりアレッツォが輩出した芸術家、ピエロ・デッラ・フランチェスコの「聖十字架の伝説」があります。絵画に初めて遠近法をとり入れたのがこの巨匠。ドゥーオモのフレスコ画「マグダラのマリア」共々、鑑賞を満喫したいものです。

 歴史豊かな町らしく、老舗の店もいっぱい。特におすすめなのが、19世紀の貴族の美術館がオリジナルのバール、「カフェ・デェイ・コスタンティ」。高い高い天井が優雅そのもの。ベルエポック風のティーサロンです。名物は、「ガット(猫))」というネーミングのカスタードクリーム入りスポンジケーキ。「白猫(通常のスポンジ)」と「黒猫(ココア入りクロのスポンジ)」があるのも御愛嬌。楽しいティータイムとなることうけあいです。

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