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第50回 社会人としてのスタート 当然といえば当然。でも、日本人感覚としては、「フーム…」となりがちなのが入社の時期です。やはり、9月が最も多い。これは、教育制度の時期と並行して不思議はないでしょう。日本なら4月が新学年、入社の季節というように。 とはいえ、日本の春に見られるような「新入社員デビュー」ムードはうかがえません。理由はいくつか存在。小規模な会社や工場がメインのイタリアゆえ、大量の新社員の入社はまずなし。加えて、制服もなければ、お決まりふうビジネススーツ着用も皆無。それぞれが個性あふれるファッションで出社するため、新社員か否かの見わけもつかないことがほとんどです。 マイカーでの出勤が日本の比ではなく多いもの事実。学生のうちに自動車の免許をとり、社会人としての初出勤から「足」として活用する若者がけっこういます。 町内のロベルタ(27歳)もそのひとり。免許をゲットしたのは18歳のとき。高卒後しばし定職がなかった彼女ですが、隣り町の工場の事務職につくことができました。6年前の9月より、初出勤となったのです。 隣り町とはいえ、約10キロの道のり。列車やバスの便のない職場です。自転車で通うというのも問題あり。トラックの多い国道には、自転車専用道路がないため危険だから。そこで彼女は、親から前借りをして中古車を購入。マイカー通いに決めました。 ――夏休み前は中古車が高いの。バカンス用に求める人が多いからね。で、8月の終わりに買ったのよ。オペルの小型車。けっこうお得なプライスで購入できたわよ。 初出勤の9月初め。ロベルタのマンマが自宅玄関前でウロウロし続ける夕刻でした。 ――帰ってくるまで心配でしかたがないの。まだ残暑の陽ざしも厳しいし。初めての仕事、運転で大丈夫かしら…。 マンマの不安が絶えない9月、というわけです。 (c) タカコ・半沢・メロジー
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