|
第38回 ピエモンテの芸術家カップル 前回のアグリツーリスモで、スイス女性と知りあいました。名前はウルスラ(40代中ば)。10キロほど離れた地に住んでいるそうです。やはりスイス人の御主人フランク(同世代)と共に、けっこう大きな農園暮らしをしている様子。つい尋ねてしまいました。 ――わー、じゃ、動物いるでしょ? ――ええ、少しはね。今は山羊が6匹だけ。もっとたくさんの家畜がいたけど、結局は殺さなければならないでしょ。それが嫌で、もう飼わないことにしたの。残っている山羊で最後にするわ。でも、犬がいる。3匹よ。猫は2匹。どれも捨てられた犬猫ばかりなの。 山羊? そして犬? 猫はまあ、興味薄だけど。「行きたい!」と思いました。それを察したように、彼女からお誘い。「どう、これから来ない?」。行く、行く。よろこんで! 彼女の家へ向かう車の中で、いろいろなことを知りました。スイスからやって来たのは’88。フランクの祖母から母へと受け継がれたこの別荘を、ふたりの住居にしたのだそうです。ウルスラの本業は画家。フランクは作家です。山奥での芸術活動も悪くない、となったのでしょう。6万平方メートルもの農地に、3棟もの農家あり。その1棟を自分たちの手でリニューアル。仕事場、そして居住スペースにしたと説明してくれました。 「農地としては狭いほうよ」と言う地の一部は、ワイン畑になっています。ハチミツも栽培。「これはマアマアの収入になるの」。山羊はもっぱら、フレッシュチーズ作りしている、とか。アグリやレストランに直売だそうです。 画家、及び作家としての収入源では生活していけない、と言うふたり。でも、創作活動は生きる希望。いつまでも続けていきたい、と主張します。実は、ウルスラの作品が認められ、6月、7月、スイスのルツェルンで個展開催となりました。ピエモンテの自然や動物をモチーフにした作品が、広く認められるよう祈っている私です。 (c) タカコ・半沢・メロジー
|
|||||||
|