|
第11回 いきなり、カプリに招待! 「美形」の部類に入るバスの運転手さんに、「ここだよ、イスキア行きの船が出る港は」と教えてもらい、ギューギュー詰めの中から降りたのは、ベヴェレッロ港。カプリ行きの船も出ている、けっこう大きな港でした。 イスキア行きの高速船が出るまでには、1時間以上待たなければなりません。10月だというのに真夏の暑さにヨレヨレなれど、着がえるのも面倒。ここは、動かずにジーッとしているのに限る。他の客たちと共に、腰をおろして待つことにしました。 隣に座っていたシニョーラ(奥さん)は、カプリ島の住民、とのこと。買いもののため、ナポリにやって来たそうです。 ――カプリはねー、物価が高いのよ。ベラボーに高い! ナポリは反対に、安いものが多いからね。よく買いものしに来るんだよ。今日は、エスプレッソ沸かし器とかを買った。カプリじゃ18000リラのものが、ここでは13000リラだった。5000リラ(約300円)の差は大きい! うーん、そうかな〜あ…。カプリ←→ナポリの船代を考えたら、そうでもないんじゃない? そう告げようとしたけどやめました。ナポリのショッピングを楽しんでいる様子の初老女性だったからです。しばし、彼女との会話が続きました。 ――物価は高いけど、いいとこよー、カプリは。アンタ、カプリは知ってる? ――ええ、何年か前に行ったことがあるわ。 ――今回は? イスキア島だけ? カプリは来ないの? おいでよ。うちに泊まるといい。なーに、アンタ、遠慮はいらないよ。アタシら南イタリア人は、ホスピタリティにあふれているんだかR。 「イスキアのホテルを予約ずみ? だったら食事だけでもいい。カプリにもおいで」 さいごのさいごまで、心から誘ってくれたシニョーラ。初対面の中なのに…。あたたかくも素朴な「ウエルカム」スピリットに、南伊の魅力が増すばかりの私でした。 (c) タカコ・半沢・メロジー
|
|||||||
|