第4回
親切とホスピタリティにあふれて


前回は、現代の聖フランチェスコ的生活を送るロベルトのストーリーでした。実は、彼に出会った地を訪れる前日も、ちょっとしたドラマ(?)があったのです。

自然公園地帯である丘陵へ行きたいものの、交通機関があるか否か定かでなし。さて、どうしよう…。町の小さな公園の掃除をしていた初老の男性に話しかけてみました。

「うーん…。バスはないと思うけどな〜あ」。「それじゃ、タクシーの利用しかありませんね」。などと会話を重ねているうちに、彼がこんな申し出をしてくれました。「あさってでいいなら、私が連れてってあげよう。小さな車だけど、運転はまかせといてくれ」。そんなぁ、悪いわ…。と言う私に、彼は大きく首を振りました。「なに、なに、うれしいんだよ。我々が誇りにしている美しい公園に案内できることが。あさっては公園掃除の仕事もないしね」。

結局、バスの便があるとわかった翌日。彼の好意に感謝しつつ、辞退の言葉を告げたのもでした。それにしても、この親切、そして、多大なるホスピタリティ! 何年か前、南伊でも、同じようなことがあったっけ。初対面のオジさんにガイドしてもらった半日の旅。ごていねいに、タクシーがわりの車まで手配してくれちゃった彼の名前はマルチェロ。生涯の想い出として残っています。

ウンブリア州での3泊4日を終えようとする日のこと。ホテル近くから出ているバスは発車したばかり。あと30分待たなくてはならないとわかりました。ヤレヤレ…。うらめしげにバスを待っていると、白い車がYターン。60代ぐらいの男性でした。「町の中心まで行くのかい? 乗るといい。私と同じ方向だから」。旅行バッグを手にした我々を目撃。旅の途中、不慣れな状況で大変だろう。そう察しての思いやりでした。たぶん、日本にも昔はよくあった光景、人情なのでは? 懐かしさと共に胸が熱くなったものです。
(c) タカコ・半沢・メロジー 

ミケランジェロの生家にての私です
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