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第3回 現在の聖フランチェスコ カルチョ(サッカー)、マキナ(車)、アモーレ(愛)ときたら、イタリアの若者たちが熱くなって当然。「この3つぬきでは生きる価値なし」と主張するラガッツィ(若い男たち)でいっぱいです。 が、カルチョに興味なし。マキナも必要とはせず。はたまた、アモーレもあえて追求しない。そんな稀有なイタリア青年に出会ったのは、ウンブリア州、チッタ・ディ・カステッロ郊外の自然公園地帯モンテスキ。キャンプ場の季節管理人をしているロベルト(25歳)です。 キャンプ場と知らず、足を踏み入れた我々に、「どーぞ、どーぞ。好きに歩いていいよ」と声をかけてくれたロベルト。春から初秋にかけ、ひとりで管理役をつとめているそうです。公園内をひとしきり歩いた後、キャンプ場にあるバールにてコーヒータイム。エスプレッソを飲みながら、ロベルトとおしゃべりしました。 「カルチョ? 昔はプレーしてたけど、今は観戦する気にもならない。巨大なお金が動きすぎてて、純粋なスポーツとは思えないんだ。車はね、ずいぶんと前に処分しちゃった。“動く凶器”みたいなとこがあるからね。公共の乗り物の利用で充分だよ。恋人は今、いない。明日いい人が現れたら、結婚することだって考えるだろうけど、あえて…という気はなし。自分にピッタリの女性に出会わなければ、いつまでもひとりのほうがいい」。 ロベルトは言います。「先を計画して生きることが嫌いなんだ」。マンモーネ(お母さん子)の多いイタリア男性にあって珍しく、若い頃から独立して生活してきた彼。現代の人間はあまりに物質的、と指摘します。「物質にこだわることを捨てれば、みんな自由に生きられるのにね」。 キャンプ場には、捨て猫が数匹。そのすべての猫にエサを与え続け、ピュアに愛して育てるロベルトって、現代の聖フランチェスコなのかもしれない。そう思ってしまいました。 (c) タカコ・半沢・メロジー
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