第49回 日本へ移住の亀たち
クロアチアで求めた亀は、ヘルマンリクガメやギリシヤリクガメに近い種。たぶん、両者がミックスされた亀と思われます。イタリアにも存在のものながら、この国では保護動物扱い。表向きの売買、飼育は禁止されています。政府に申告、「亀税」を納めての飼育のみ認められています。
よって、我が家の亀たちも「納税」ずみ。晴れて堂々、イタリア国籍(?)を取得したわけです。
さーて、この陸亀を父にプレゼントするにはどうしたらいいか? 保護動物ゆえ、イタリア国外への持ち出しも禁止です。そうだ! 冬眠している間に運べばいい。冬の帰国時、眠っている亀を、土の入った箱に入れ、スーツケースにしのばせました。
父の喜びは大変なもの。すぐさま「家宝」的ペットとなったオス亀は、実家のプリンスとして溺愛される日々。娘の私より、ずっとずっと大切に扱われることになりました。
オス1匹ではかわいそう。そんな心情の父。しかたがない。町内に住む「亀博士」主婦、アントニエッタから、赤ちゃん亀を譲ってもらうしかありません。彼女の庭には、大小、数10匹の亀がいます。ほとんど孵化に成功した亀たちです。
おがみたおし、やっとのことで赤ちゃん亀をいただいた私。今度は、ジャケットのポケットに入れてのフライトにしました。生後1〜2年の亀は、冬眠しないのが常だからです。この赤ちゃん亀、父の与える過分なエサでみるみる成長。翌々年にはかつて運んだオス亀とアモーレするほどになりました。「陸亀の孵化は困難」と言われています。アントニエッタでさえ成功するまでに何年もかかったのに、動物好きな父は軽〜くクリアー。すぐさま孵化させ、8匹もの赤ちゃん亀が誕生しました。今では10数匹のベビーがいます。
そのせいでしょうか。79歳の父は元気、元気。長寿の生を亀から授かったのかもしれません。
(c) タカコ・半沢・メロジー
「Confeito」に掲載の 記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。すべての著作権は(有)アルティスタと著者に帰属します。転載を希望される場合は、 当編集部までメールでご連絡ください。