第46回
日焼けに徹する日々
「なにもしない」のがイタリア人の最も得意(?)とする夏休み。これは前回記したことです。ただし、ある「目的」のために、あえてなにもしない男女がいっぱいいます。その目的とは、「日焼け」。イタリア人の日焼け願望ときたら、世界的にもトップクラス。「小麦色の肌こそ最も美しい」の思考があります。それは、他の欧米人が言うところの「バカンスでの日焼けはステータス」以上。小麦色こそ美のエッセンシャル、とまで信じ込んでいる感があるのです。
そこで、自宅ですごす人たちも、せっせと日焼けに精を出す夏の日々。近くの公園や川辺に日長寝そべり、全身をブロンズ色に焼きつくします。
拙宅近くの川辺は、6月ともなると、絶好のリゾート地化。緑のみ。バールひとつない自然地帯なのに、多くの人々がやって来ます。ほとんどが日焼け目的のためなんですね。レジャー地とはほど遠い田舎の川辺なのに、7月、8月には住民たちが押し寄せます。女性はほとんどトップレス。「ボディをムラなく焼くには当然」というわけです。
トップレス姿は、各家庭のテラスや庭でも見かけます。つまり、家にいながらにして日焼けをしよう、ということ。専用のオイルやクリームをタップリ塗って、2時間、3時間とチェアーに寝そべっている女性たちが少なくありません。シミやソバカス、シワの心配などまったくしていない様子。こんな発言のイタリア人が多いのです。
――夏に日焼けしないなんてつまらない。きれいなブロンズ色の肌で秋を迎えるのが最高の喜びね。それに、太陽を浴びるのって、健康にも大プラス。ビタミンDを摂取して、カルシウム分の補給にも役立つのよ。美と健康、両方に役立つなんてステキじゃない?
夏休みが終わった時の最高のほめ言葉は、この一語につきます。
「Sei diventato nero!(セイ ディヴェンタート ネーロ!)(黒くなった=日焼けしたねえ!)」。
(c) タカコ・半沢・メロジー
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