「漱石記念館」で。館長の恒松郁生氏。

第39回
ロンドンの漱石記念館


住みたいとは思わないものの、何度でも訪れたい国、そして都市がいくつかあります。ロンドンもそのひとつ。世界一といっても過言ではないこの都市には、重厚な伝統と共に、さまざまなお楽しみが満ちあふれています。

狂牛病に加え、クローン羊の問題発生ながら、経済やファッションなどの面で、現在もっとも「元気」と噂のロンドン。3年半ぶりに滞在してみました。7泊8日の旅はいかに?
今回の目的のひとつに、かねてから行きたかった「漱石記念館」見学があります。文豪・夏目漱石が国費留学生としてロンドン暮らしをしていたのは、1900年から1902年にかけての2年間余。5回の下宿換えをしているそうです。最後の下宿先の正面に、1984年開館したのが「Soseki Museum in London」。が私の手元にあったのは、最寄の駅名のみ。ロンドン市街南部、カリブ系住民が多く居住の地域、どいうデータだけです。「イタリアの日本人」である私は、ごくごくお気らくムード。「どうせすぐわかることだろう。世界のSosekiだもん」とタカをくくっていました。唯一の手がかり、地下鉄グラッパム・コモン駅で下車したのです。

けれども、住所なしの記念館訪問は至難のワザ。町内の人たちに尋ねても、こんな応答のみが返ってきました。

――うーん、何回か聞かれたことはあるけど、わからないな〜あ。

――そういえば、日本人がここらへんを歩いてるのを何回か見かけた。なにか探してるみたいだったから、その記念館かも…。

同じストリートを行ったり来たりの私。結局、2時間近くさ迷い、やっと発見したのでした。
館長である恒松郁生氏が資財を投げうっての館内には、漱石関係の資料や研究書がいっぱい。『我輩は猫である』執筆のベースとなった古い英国書籍もあり、興味深いものでした。

開館の時期、時間が限られているため、事前に調べてからの見学をおすすめします。

「漱石記念館HP]はこちらでアクセスできます。
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