第33回
自然な姿がいちばん輝く


ゴールデン、あるいはラブラドールのレトリバーが相変わらずの人気の日本。愛犬登場の雑誌を見ると、バンダナなどを巻いた愛らしい姿に思わず笑みがこぼれます。
ここヨーロッパでもレトリバー人気がアップしているのは確か。でも、日本ほどの数とはなっていません。それに、バンダナの使用もほとんどなし。日欧、ワンちゃん事情の差、ということでしょうか。

我が家のケンは、バンダナが似合うような可愛い系犬にあらず。病弱、ミニサイズとはいえ、いちおうジャーマンシェパードです。野性的な面もチラホラ。なんといっても、ルーツはオオカミゆえ、そのままの姿がいちばん。
それでも、飼い主の勝手さでしょう。つい擬人化したくなることがあります。「ケンちゃーん、お願いッ。ちょっと服を着てみて。写真を撮るだけでいいから」と、ミッソーニ風のニット製ベストを着せてみました。これがまあ、笑える姿! 黒めのボディに、カラフルなベストが妙にマッチして、愉快、愉快。うーん、なかなかおしゃれよ、と爆笑しながら告げました。シャッターもパチリ!

するとケンの反撃。「ヤだよー、服なんか。僕は人間じゃないっ。飼い主だってしていいことと悪いことがあるんだ!」と、ベストをひきちぎろうとするではありませんか。
その日のケンは、ずっとご機嫌ななめ。夜など、いつものスリーピングスマイルなしでフテ寝する始末です。ごめん、ごめん、ケン。でもね、可愛かったよ、すっごく。とあやまりつつ、深〜く反省。飼い主のエゴも程ほどにしなければ、と悟りました。

ケンがいちばん輝き、なおかつおしゃれな姿を見せるのは、生まれたままのボディで野原をかけ回る時。大好きな川で、ネバーエンド的に泳ぎ続ける姿もステキです。人間と犬とがより快適なおしゃれ生活を楽しんでいける毎日。これこそが平凡な日々ながら最大の幸せ。そう信じます。
(c) タカコ・半沢・メロジー 
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