第25回
下着こそ高額の“投資”
私の住んでいる小さな町は、ハッキリ言って田舎。ミラノから50kmと離れていないのに、周囲は畑がいっぱいです。マ、のどかな田園地帯、ということにしておきましょう。
そんな町ながら、小間物店で売られている下着、そしてシームレス類のグレードの高さには目を見張るものがあります。「どうして? 田舎のオバさんたちもこーんなセクシーななのを身につけちゃうわけ?」というところ。
そうなのです。イタリアの女性は下着への気くばりを欠かしません。「セクシー」と驚くのは私が日本人だからであって、この国の人たちにとっては、ごくごくノーマルなものなのでしょう、きっと。下着というのは、おしゃれの基本。美しく、そして女性の魅力を強調するものであって当然。そんな感覚がしみついているのだと思います。
よって、イタリアにはオバシャツの類が存在しません。暖かいうえ、妙なノスタルジーを感じるゆえ、1〜2枚はオバシャツが欲しい私。けれども、今だかつて目にしたことがないのです。オバパン(オバさんパンツ)もしかり。高齢の母に送りたくて求めようとしても、どの店にも置かれていません。
これって、かなりの差ではないでしょうか、日伊店の。なぜかなーと考えてみました。日本の場合、まだまだ、「下着こそおしゃれの基本」という感性が徹底していないのではないでしょうか。ひところよりセンスアップしたとはいえ、洋服以上の“投資”を下着にする人は少ない気がします。ところが、イタリア女性はこれをやってのけちゃう。冬は暖かく、夏は涼し気な良質のシルク製インナーに何万円、何十万円も支払うのです。コットンなら、これまた上質のスコッティッシュ製、ウールならメリノ、ときにはカシミア、といったぐあい。素材、デザイン共にゴージャスな下着が田舎町にだってオンパレードしているイタリア。やはりおしゃれ大国、と言っていいでしょう。
(c) タカコ・半沢・メロジー
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