第18回
万能薬のカモミールティで
黄金の夢を!


12月。イタリアもまた風邪の季節。私からすると、男性ほど小心、かつ気弱な傾向にある国です。ちょっとした寒気、体調ダウンでも大変な騒ぎ。「風邪をひいた! いや、インフルエンザかもしれない。どうしよう…」などとうろたえたりします。
すると、マンマやフィダンツァータ(恋人)は、決まってこう告げます。「じゃ、カモミールティを飲みなさい。すぐ淹れてあげるわ。大丈夫。いっぺんで治っちゃうわよ」

近ごろどうも寝つきが悪い、熟睡できない、なぜかイラつく、お腹の調子がよくない、などという時も、決まってひとこと。「カモミールティを飲むのがいちばん。絶対、効くから」
この国のカモミールティ崇拝は、ホント、絶大。どんな病気も体調も、精神的トラブルだって、たちどころに解消、といわんがごときです。あまりの過信に、時としてア然とするばかり。こんな皮肉も言ってしまいたくなります。「へー、そうなのォ。だったら、薬なんていらないわけね。お医者さんだって必要なしってことね、カモミールティさえ飲んでいれば」。まさかぁ、そういうわけじゃないけど…の反応を信じていたのに、あっさり次のリアクション。「そうよ」。ハハーン、信じる者は救われる。「効く」と確信して飲むことが重要なのね、と悟ったものでした。

美容と健康に欠かせないとされているカモミールティの最大効用は、鎮静作用が強いこと。イタリアでは昔からどこにでも原生の植物でもあるため、それは愛飲されています。近所で摘んだ花をドライにしたり、市販のティパックを求めたりと、どの家庭でも必ず常備。甘いもの好きのイタリア人らしく、砂糖やハチミツを入れて飲むのがふつうです。
バールやレストラン、ホテルなどにも用意されているのもこの国ならでは。訪伊の際、時差などで寝つかれない時にもおすすめです。
「おっ、イタリア通だ」と一目おかれることでしょう。ソニョ ドーロ!(黄金の夢を!)
(c) タカコ・半沢・メロジー 
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