第17回
ヘアスタイルを変えた時


前回発信、ベネチア暮らしの弘美さんの彼はイタリア人。リド島生まれのベネチアーノです。ラテン男にしては珍しくクール。彼女のおしゃれに関しても、あまりコメントはしないとか。でも、一度だけ例外あり。ブツクサと文句を言われたことがあるそうです。それは、ロングヘアをショートにした時。
「前の方が女らしくてずっと良かった」とか、「遠くから見たら男みたいだ」などと、さんざん不満を並べたそうです。

女性のヘアスタイルに対する男性のリアクション、それはすごいものがあります、この国では。恋人、あるいは奥さんだとなおさら。髪型を変えようものなら、必ず大きなコメントが発せられます。
「ケ ベッラ!(なんて美しい!)まるでスーパーモデルみたいだ」「お、どこの美女かと思った。惚れなおすな〜あ」などの賛辞によろこばない女性、いるでしょうか? 逆に、お気にめさない時はこうなります。「なんだ、なんだ、その髪は! キミにはまるで似合わない」「マンマ ミーア!(なってこった!)とんでもないヘアスタイルになったもんだ」などと、露骨な発言をします。

「そんな髪型、気にいらない! 最低だ! 離婚してやるっ!!」と怒鳴った御主人もいたそうです。これは、私の美容師さんであるミケーラから聞いた話。「まさかぁ…。冗談で言っただけでしょ?」と聞きました。ミケーラいわく、「本気だったみたいよ。彼女、次の朝、真っ青になってやって来たもの」。で、どうしたの? だれだってそう尋ねたくなりますよね。カットしてパーマをかけた後だから、もとのスタイルには戻らない。おまけに、彼女自身は気に入っていた髪型。しばし鏡を見つめ、こう言ったそうです。「いいわよ。私が好きなんだから」。この女性、その後もミケーラの店へ通い、自分好みのヘアスタイルにせっせとトライ。今だ離婚することなく、幸せにすごしているそうです。
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