●第9回●
おいしく食べるが最もおしゃれ


唐突ながら、スパゲティって実に食べにくい、と痛感します。フォークに巻きつけ、くちに運べばいいわけなのに、適量のとりわけが難しい。フォークからはみ出し、ズルーッとだらしなげにのびたりして…。うまくひとくちでおさまらないことが多々あります。

最もシンプル、かつ最上のお味と信じるトマトソースのかかったものだとなお苦労。まっ赤なソースがそこらに飛びはねかねません。ところが、いるんですね、ホレボレするくらいエレガントに食べるイタリア女性が。2〜3本のスパゲティをフォークにクルクル、すばやく巻いてボール状に。ほほえみながらくちに入れます。「ケ ブォーノ!(なんておいしいの!)」と言わんがごとき表情で、幸せそうに味わい続けます。ときおり、ナプキンの端でくちの回りをふくしぐさも、どこかおしゃれ! なんかいいな。品格もある。そう感じさせる女性を目にしたりします。
こういう女性こそ魅力的、とされるのがイタリア。食べることを心から楽しみ、かつ、ナチュラルで美しいマナーを身につけている、ということです。

日本滞在をしていたイタリア男性が、こんなことを言っていました。「日本の女性って、すごくまずそうに食べている人が多い。テーブルにひじをつけ、義務的に口を動かしたり、とかね。量にしたって、イタリア女性の半分くらいしか食べてないんじゃないかな。恋人にはしたくないって思っちゃったよ」。
マンジャーレ(食べる)の国イタリアです。おいしく食べることは、おしゃれにもつながる、とさえ主張します。さらに加えるなら、「セクシーさ」にまで発展。たとえば、チキンやうさぎなどの骨付き肉は、両手で持って食してもマナーに反しません。レディ然とした女性がこれをするとステキ! 味の残った指をなめ、「うーん、満足!」なんてやるのはとてもセクシー。女性の私でもそう感じるのですから、男性はなおさらでしょう。
(c) タカコ・半沢・メロジー 
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