●第8回●
町いちばんのセンスに学ぶ その2
「安くてハイセンス」「素材がよくてシンプルなもの」、このふたつがモットーのアドリアーナのファッション観は前回お伝えしました。そういえば彼女、いつも天然素材の服を身につけています。シルクや麻、良質のコットン、といったぐあい。
「すごいわねー、シルクなんて。お高いでしょ? それに手入れが面倒だし…」と言う私に、こう返しました。「あら、そんなことないわよ。無名ブランドなら、いくらだって納得プライスの服が買える。洗濯だってけっこう簡単。専用の洗剤で手洗いすればいいだけのことよ」。ハーッ。なるほどね〜え。少しずつ彼女を見習うようにしている私。最近はシルクのケアも少しずつ上手になってきました。
高額なハイブランド品を毛嫌いするアドリアーナが、ある日豪華なコートを身に着けていました。町内ですれ違ったときのことです。「なんてゴージャスなコートなの! いかにも高級そう…」。なんでも口にしてしまう私は、つい発言。だって、表地は厚手のシルク製、裏がミンクの毛皮だったんですもの。なーんだ、彼女、結局は高級指向もあるってわけね。そう思ったものでした。すると――。
「あ、これ? 20年以上も前に作ったものなのよ。小さな毛皮屋さんに注文したの。ここは冬寒いから毛皮って必要でしょ。でも、いかにもファーコート、っていうのがイヤでね。こういうふうにしてもらったのよ。高そう? そうね、安くはないけど、ブランドものに比べたらゼロが違うわ」とのことでした。
世界にたった一着の超オリジナルなコートのせいか、20年以上たった今でも流行に左右されず着られるもの事実。「ま、トータルすると安い買い物って言えそうね」。いいなー、なんとなく。私もいつか、そんな一着を注文してみたい、と感じたものでした。アドリアーナこそ、ファッションのお手本。彼女と出会えてラッキーだと思っている私です。
(c) タカコ・半沢・メロジー
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