第3回
契約者の立場で生命保険を見ると…


「生命保険会社って、体質というか、考え方があまりに古いんで驚いたほどです」。

銀行、不動産会社、そして生命保険会社と仕事の舞台を歩む深川氏。この経歴だけでもお金に関しての知識の幅の広さを窺い知ることができる。

「ある意味では、この生保の会社での時間があったから、今のライフプランナーという仕事をしているともいえるかもしれません。
生命保険の商品というのは、多くの人の場合、おそらくマイホームに次いで生涯の中で大きな買い物のはずです。契約によって差はありますが、毎月数千円〜万の金額を支払い続けるのですから。でも、一時期に大金を払うわけではないことと、その仕組みが複雑で理解しにくいことから、ご自分が加入している生命保険でも、きちんとその商品の内容を把握している人は、ごく少数です。
第一、それを売っている側でさえ、ちゃんと理解していないのが現状ですからね。当然、会社としては生命保険商品を売ることを押し進めます。たくさんの契約を取った人間が偉いのです。
でも、冷静に考えてください。生涯で2番目に大きな買い物なのに、売る方も買う側も、その商品についてよく分かっていないなんて、そんなバカな話、ないでしょう」。

「そういう状況がありながらも、生命保険会社はセールスする人間の教育をしたりしようとはしない。その考え方の根本は精神論だけなんです。“頑張れば売れる!”“イケイケ! ドンドン!!”みたいな。
そんなことって、おかしいでしょう。私は、売るための知識や理論付けがされていないとうそだと思うんです。ちょっとヘンな言い方ですが、生命保険の商品は、商品としての現物がないですよね。それでもお客様は支払いをするわけです。何にお金を払うかというと、私は売った人間の説得力によって支払いをすると考えています。だからこそ、契約をしてくれたお客様に対しては、最後まで責任を持ちたいんです。売っておしまい! なんてそんな無責任なことはできません。
生命保険なんて何年かで、見直さなければ、だんだんご自分のライフスタイルとずれが生じてくるものなんです。でも、生命保険会社としては売りたい商品がある。その人のスタイルに合っていようが、そうでなかろうが、売りたい商品がある。
そして、買う側の知識が少ないことをいいことに、その人の要望と売りたい商品の小さな重なりを見つけて売っているように感じてしまいます。
そういうことから、もっとお客様の立場で考えられるライフプランナーの仕事に着目したんです。
現実問題、国内生保会社の商品は、さまざまな場面に対応可能な“保険のセット商品”が中心です。例えば、10人の方に契約している生命保険の内容をお聞きすると、8、9人の方が無駄な支払い部分があります。人によって大切に思うこと、守りたい部分が違いますので、既存のセット商品で100%カバーできることなんてあり得ないと思うんです。
そういう部分を、各個人、相談に乗ることでカバーできるとうれしいですよね」。

「保険商品などは分かりやすい例ですが、よく分からないから、詳しい人にアドバイスを求める。でも、生命保険会社の人に聞いたのでは、そこには利害関係があるので、本当に適切なアドバイスは受けられないでしょう。
個人の方でも、法人でも同じことなんです。利害関係のない、その方面に詳しい第三者に相談しないと、いい結果が得られにくくなりますよね」。

「でも、そんな場合でも一番大事なことは、自分の考えです。それがしっかりしていないとなにも進まないですからね」。


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