◆今、子供が危ない時代だと言われている。
いじめ、虐待、育児放棄…。
それらは子供同士の問題であったり、家庭内の問題であったり。
いまや、子供が安心して生きられる環境は何処へ行ってしまったのだろうか?
そして、いつから、何故、このような状況になったのだろうか?

そんな疑問を感じながら、毎日たくさんの子供と接して仕事をしている「保育士」に、その仕事の現実を語ってもらった。


第1回 保育園は親を教育する場!?

中川由美子さん、37歳。現在、とある保育園の5歳児を受け持つ。
彼女は、短期大学の幼児教育課を卒業後、幼稚園の先生となった。そして4年を過ごし、退職。その後、一般企業で5年間事務職を経験、そして再び大学の幼児教育課の研究室で6年間助手を務め、一昨年、保育士の国家試験を受験し合格。現在保育園で仕事をしている。

「幼稚園の先生の資格では、保育園では働くことはできません。幼稚園は文部科学省の管轄で、保育園は厚生労働省の管轄なのです。いろいろ事情もあって、学校に通って勉強している時間は取れなかったので、4ヶ月間、猛勉強をして国家試験に臨みました。保育士の試験は県によって教科の数え方が違いますが、全部で8科目、11教科そのすべてに合格しないとだめなんです。
私は、どうしても合格したかったので、埼玉県など3県を受験しました。問題の傾向が似ていたんです。
結果は、埼玉県ですべて合格したので、他の県は受けなくても良かったのですが」。

「これから先は、幼稚園の時代ではないと思っています。仕事をする女性が増え、仕事をしながら子育てをする割合がさらに増加するでしょう。そうすると、幼稚園より子供を預かってくれる時間が長い、保育園の需要の方が高くなると思うんです。 それに、働く場としても幼稚園より保育園の方が長く勤められるのが実際です。もちろん保育園でも3歳以上の幼児のカリキュラムは幼稚園と、ほとんど差は無いのですが3歳以下の乳児のクラスは、けっこうな年齢でも受け持つことができますからね」。

「幼稚園と保育園で、その性格は違うものの、11年ぶりに子供のいる現場に復帰して、もう本当にビックリしました。
子供も、そしてその親も変わっているんです。
子供は子供らしくなくなっているし、その親たちは“常識”と言う言葉が通用しない人があまりにも多い。でも、だから子供が変わったことは社会環境とかそういうことではなく、紛れもなく親の責任だと思いますね。
私の勤める園の園長も言っていますが、今や幼稚園、保育園は子供の養育・教育する場だけではなく、親を育てる場だと。
最初はどういう意味か、よく把握できなかったのですが、約2年働いてよくわかりました。子供がいれば親であることは確かですが、それだけでは親にはなれないんですよ」。

幼稚園・保育園の先生を経験したことのある女性は必ずこう言う。
「子供たちにどんなに手がかかっても、そんなことはたいしたことじゃないのよ。一番大変なのは、その親たちの相手」だと。


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