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終 幕 責 任
約70人の就職先を見つけた小林氏自身の次の職場は、この春東京に進出してきた地方の印刷会社の支社である。その会社の息子さんが以前同僚だった。その縁で今回の話が決定した。
「何人かの同僚と一緒に頑張ります。支社と言っても、今まで東京に顧客を持っている会社ではないので、ゼロからのスタートです。
実は、同じメンバーで新会社を設立すると言う話もあったのも事実です。確かにみんなの退職金を集めれば会社設立は可能です。でも、会社は設立することが大切なのではなく、設立して継続することが大切ですよね。
私にも、守らなければいけない家族がありますから、どうなるか分からない新会社に退職金を注ぎ込む事はできません。でも、今度の会社での仕事も新会社設立と動き的には変わらないんですよね」。
小林氏は新会社を設立することと、知人の会社の支店を起こすことと同じだと言う。
確かに同じようにゼロからのスタートである。
自分たちで資金を出して動けば、自分たちの思うようにできる。しかし、知人の会社の一員であるということは、自ずとその義務は大きくなる。すぐに売上を立てなければいけない。しかも独断では決定できないことも出てくるだろう。
言葉にはしないが、小林氏はそんなことは充分に把握している。
「これからが勝負ですね。でも今回のことで本当に“仲間”に助けられました。私の就職先となった今回に支店の話だって、元同僚だった私達を信頼してくれたから成立したことです。就職を斡旋してくれた仲間も同じです。それだけでなく、会社が解散することで多方面、迷惑をかけましたが、みんなに助けられました。
つくづく“仲間”のありがたみを感じていますし、彼らの信頼と期待は裏切りたくないですから」。
小林氏の責任の果たし方と取り方、そこには受身のサラリーマン意識は微塵もない。そして彼の所属した支社は、この支社で仕事をする全員が同じ意識でいる。地方印刷会社の一支社なのだから、サラリーマンであることには変わりはない。
しかし、そこで働く人間の意識は180度違う。
今回の解散劇を見てきた人達は小林氏に期待していることだろう。
会社の解散と言うことで、普段隠れていることが様々表面化した。
ある意味、貴重なこの体験を、どのように自分の中で昇華し、今後の行き方に繋げるのか。人それぞれなのだろう。
どういう選択をしても、あるいはどういう結果が出ても、その時に自分で悩み、考え、行動し、納得してのことであれば、そのことを誇れるときが必ずやってくるのだと思う。
今後の小林氏の活躍と、東京支社の発展を期待したい。
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