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■近年人材派遣会社の広告がとても目につく。
それに比例するかのように「私も派遣に登録したの」という言葉をよく耳にする。
派遣社員は、アルバイトのようなお気楽さはない。しかし必ずしも正社員としての採用を望んでいるわけでもない。
必要とされている職場で、必要な期間だけ働く。常に働ける保証もないが、それでも派遣会社に登録をする女性が急増している。
そんな彼女達に派遣社員という立場を選ぶ理由を語ってもらった。
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●坂崎 順子さんの場合
「派遣社員って、私にはすごく合っているんです。今後、就職したいという希望はあまりありませんね。もう一度アメリカに留学したいんです。そのために、お金が貯められて、その上自分で勉強する時間が確実に取れる派遣の立場はありがたいですね」
坂崎さんの派遣社員歴は4年と9ヶ月。現在34歳。高校を卒業し、就職のために上京した。最初の就職先は銀行。そこに3年3ヶ月在籍。以後、1年間のアルバイトを経験し、派遣会社に登録をする。
派遣会社に登録をしたきっかけは、バイト先の上司に勧められたから。派遣社員はアルバイトより時給がよく、社会保険なども保証され、ある一定の期間勤続すれば有給も認められるなど、雇用の条件がアルバイトより様々な面で良くなった。
銀行勤めの経験から、ワープロやテンキーの扱いに関してはかなりのスキルがあったこともその時給に反映された。
「4年間派遣で仕事をして、それから2年アメリカに音楽の勉強のために留学したんです。
このときに経験したこと、感じたことが今の私の価値観や行動の基になっています。思ったことは言います。納得しないままにしておくと我慢できなくなってしまうから。もちろんオブラートに包んで、やわらかい言葉を選んで伝えますよ。相手にケンカを売りたいわけではないんですから」
「派遣社員というのは、派遣会社に所属しているわけですよね。で現場で働くのは自分なんです。そこで信頼関係を作るのも、あるいは壊してしまうのも自分自身です。そういう意味では頼れるのは自分だけ。そのかわり職場に無理に迎合したりする必要がないので、マイペースで仕事に必要な部分だけ確実にこなせばいいことが私の性格に合っているのかもしれません」
「今度は語学留学をしたいんです。仕事でもしっかり通用する英語を身につけたいと思っています。英語が確実にできることは、派遣会社に登録する時のスキルが全然違いますから。外資系の会社でも働ける可能性が広がるでしょう。
自分で仕事や会社を選べる立場でいたいんです。勤務地、時給、職種など自分で選びたい。条件で諦めることをしたくないんです。派遣の立場でもっと上の仕事ができるようになっていきたいですね」
「派遣社員って楽しいですよ。自分をいかに “売り込むか”みたいなこともありますしね。うまくいけば、時給がアップになる。つまり自分の力を高く売れるんです。気持ちいいですよ。ひとつの会社で正社員として仕事をしていると、どうしても安定志向になるというか、上を目指さなくなるっていうか、そういう状態は嫌なんです。いつも前に進んでいたい。それが私の生き方で、それには派遣社員という立場は絶好なんです」
自分の意見を正当に主張できる女性が日本の職場の中でどの程度存在するのだろうか? ましてこの坂崎さんのように自分を売り込むことまでを念頭に置いている女性は、まだまだ少ないのが現実だ。彼女の場合、アメリカ留学の経験がその後の生き方に大きな影響を与えているだろうが、とにかくこれほど自分自身がしっかりある女性だからこそ派遣社員の立場でスキルアップを実現できるのだろうと感じた。
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