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ビジネスチャンスを自ら作り出す宇野雄一氏
生地の素材を活かし、着る人によって表情の変わる服を作りたい。
着る人のことを第一に考えた洋服を提案する「シンクロニシティ」。
個性豊かな新進ブランドのまとめ役としても活躍する宇野雄一さんは、
プロデュースから販売まで、何役もこなす超多忙ぶり。
ビジネスとしての成立を目標に、走りつづけるデザイナーをご紹介します。 |
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最近、デパートなどで行われるようになった新進ブランドの合同展示会。その発起人ともいえるのが、「シンクロニシティ」を率いる宇野雄一さんです。名古屋のデザイン学校を卒業後、アパレル会社に就職した宇野さんは、オンワードファッション大賞を受賞。1998年に、社内ベンチャーとして独自のブランドを立ち上げたのがはじまりでした。
表情が変化する洋服
もともとイラストの勉強がしたかったという宇野さんが、洋服のデザインに興味をもったのは、デザイン学校のベーシック学科で基礎を学んでいたとき。立体という表現方法に興味を持った宇野さんは、なかでも洋服というジャンルに注目しました。一着の同じデザインの洋服でも、着る人によってその表情が変わる。そんな洋服をデザインする面白さに惹かれたのです。
ベーシックなデザインの中にもこだわりを
宇野さんのデザインの基本は「人の形にあっている」ということ。どんなに個性的な、すばらしいデザインの洋服でも、実際に着ることが出来なければ意味がありません。「洋服は、着てもらって完結するんです」と語る宇野さんは、着る人のことを考えて、そのシルエットを活かすこと、そして着る人の個性を消してしまうことなく、その人の個性を引き出すようなデザインを心がけていると言います。
洋服のデザインは、素材から得たインスピレーションがベース。生地自体にインパクトがあるときは、装飾を極力省いたラインで布の特長を活かしたデザインにし、また逆に、シンプルな生地は、タックをとったり、切り替えをいれたりして洋服全体に動きを出しているのです。そのため、とてもベーシックなデザインに見えますが、どの洋服にも宇野さんのこだわりがしっかり表現されているものばかり。色使いも、清潔感を大切にしたモノトーンやぺールトーンのものが中心。飾りすぎないデザインは年代を選ばす、コーディネイトのしやすさも考えられているのです。
目標のためにはシビアさも必要
そんな宇野さんの夢は、洋服をエンターテイメント化すること。
「お客さんがボックスに入ると、その人の肌や髪、目の色、体型、好みなどに合わせて、一番似合う洋服がデザインされてでてくるというようなシステムが作れたら、おもしろいと思うんです。そんな夢に一歩でも近づくためにも、現在はもっともっと新進ブランドというものをPRして、実力をつけ、実績を重ねていきたいと考えているのです」
実績を作るには、とにかく"知ってもらう"ことが必要です。ところが小規模な新進ブランドの、単独の活動では宣伝活動にも限界があります。そこで、新進ブランドがいくつも集まって、合同で展示会をやることで、世間に「新進ブランド」を認知してもらおうという作戦に出たのです。
そんな思いではじめた合同展示会では、実際に宇野さんも接客を担当します。お客さんと直接に接触することで、はじめて気づかされることも多く、「裏地がついていたら…」といった希望や、「サイズが合わない」などの意見を、今後の課題として取り上げていきたいと語ってくれました。当然、数ある新進ブランドを取りまとめるのは簡単ではありません。コスト的な問題も大きく、展示会では、売り上げの低いブランドを入れ替えることもあります。とてもシビアな決断ですが、これもデザイナー同士の馴れ合いを防ぐなど、お互いのためなのだといいます。
宇野さんの情熱と活動は、新進ブランドの合同展示会の開催が注目されていることからも、少しづつ大手百貨店やアパレル業界にも影響を与え始めているといっても過言ではないでしょう。そして、ビジネスとしての成立が目標だからこそ、展示会の開催にとどまらず、ホームページを立ち上げたり、メールマガジンを配信したりと、着実にその活動の幅を広げているのです。
新進ブランド躍進の原動力とも言うべき彼の活動が、脱インディーズ成功の“鍵”を握っているのかもしれません。
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